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113番元素「ニホニウム」

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理化学研究所創立100周年記念切手(82円切手5種類)が2017年(平成29年)4月26日に発行されました。この切手の華とも言える「113番元素ニホニウム」を描いたものをご紹介します。

113番元素「ニホニウム」の生成と崩壊の過程を示した切手です。
元素というのは、物質の根本をなす要素とされますが、原子との違いは、元素は原子核にある陽子の数で分類され、原子番号が付けられます。原子核内の中性子の数の違いでできる「同位体」は同じ元素として扱われます。ニホニウムの原子核には113個の陽子が含まれることになります。

理化学研究所の仁科加速器研究センター超重元素研究グループの森田浩介さんを中心とする研究グループにより発見されました。
元素名はnihoniumで元素記号はNhです。

原子番号92(ウラン)を超える原子番号の元素は、自然界に存在せず、人工的に作られ命名されます。これまで新元素発見と命名は欧米に独占されており、113番元素の発見・命名は日本・アジアとしても初めてのことです。

113番元素は、原子番号30の亜鉛をビームにして原子番号83のビスマスに当てて原子核を融合させることで作ります。これを実現しているのが切手シートの上部に描かれている線形加速器(RILAC)や気体充填型反跳分離機(GARIS)という機器です。これらの施設は埼玉県和光市にある「RIビームファクトリ」にあります。

切手のデザインは、元素記号と原子番号の組み合わせの円を並べることで、ニホニウムの生成を、右上の亜鉛(Zn30)とビスマス(Bi83)の衝突からニホニウム(Nh113)が生まれたことを示しています。
その下に、たくさんの元素が矢印でつながっていますが、これはニホニウムが「アルファ崩壊」というヘリウム原子核を放出する過程を示しています。原子番号が113から2個ずつ減っていき左下がメンデレビウム(Md101)となっています。ヘリウムは原子番号2であり、陽子を2つもっています。切手でもそれぞれの元素からHe2の円が矢印で飛び出している様子が描かれています。

113番元素の探索は、2003年に実験が開始され、2004年には最初の113番元素の合成に成功します。2012年にようやく切手になったメンデレビウムまでのアルファ崩壊を観測し、決定的な証拠を得ました。
2015年に113番元素の発見は国際純正・応用化学連合(IUPAC)により認定、命名権を取得しました。ニホニウムの名称は2016年11月30日に元素記号Nhともに登録されました。

理化学研究所では、現在119番元素発見のための研究を行っています。

●関連ウェブサイト
113番元素特設サイト
http://www.nishina.riken.jp/113/

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