« 明治座所蔵の伊東深水作品 | トップページ | 2種類の桜餅 »

鏑木清方「たけくらべの美登利」

K2011100703
1958年(昭和33年)から毎年10月に発行されている特殊切手シリーズに「国際文通週間」というものがあります。

2010年(平成22年)から2012年(平成24年)にかけての3年間だけですが、この国際文通週間の切手に、女性を描いた日本画が毎年3点ずつ取り上げられました。作者は伊東深水、上村松園、鏑木清方の3名でした。


その中から、鏑木清方の「たけくらべの美登利」をご紹介します。

鏑木清方(かぶらき・きよかた 1878-1972)は、東京神田の生まれ。1891年(明治24年)水野年方(みずの・としかた)の門下となります。挿絵画家としてデビューし大正時期には文展で最高賞を受賞し、1926年(昭和2年)には代表作となる「築地明石町」が帝展で帝国美術院賞を受賞。この作品は1972年4月発行の「切手趣味週間」切手に採用されており、これは鏑木清方存命中のことでした。

「たけくらべの美登利」は1940年(昭和15年)制作の作品で、現在京都国立近代美術館が所蔵しています。

この画題となった「たけくらべ」は、1895年発表の樋口一葉の短編小説で、東京吉原の郭に住む女性「美登利」と僧侶の息子「信如」の恋物語です。鏑木清方は樋口一葉を大変尊敬しており、ほかにも一葉の小説に着想を得た作品があります。水仙の花を手にしている女性が描かれていますが、この女性が美登利で、「たけくらべ」の終盤を表しているものと思われます。

国際文通週間切手は、海外向け郵便料金の特殊切手として毎年発行されているものです。この切手は2011年(平成23年)10月7日に発行されたもので、額面の130円は、国際航空郵便の第3地帯(南米・アフリカ地域)あての料金です。国際郵便はこのほか第1地帯(90円)と第2地帯(110円)があり、当時の国際文通週間切手はこの3種類の額面で発行されていました。

|

« 明治座所蔵の伊東深水作品 | トップページ | 2種類の桜餅 »

切手」カテゴリの記事

絵画」カテゴリの記事

文学」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 明治座所蔵の伊東深水作品 | トップページ | 2種類の桜餅 »